【図解】 ChatGPTが文章を書く仕組みは?なぜほかの人に文章がバレるのか

更新日:2025/06/09

監修者:吉田 篤三

MOCO Works株式会社代表取締役。SEO業界10年以上の経験を持ち、AIライティングツールの開発にも携わる。ChatGPT登場以前よりAIを活用し、業務効率化を推進中。本ブログもAIを用いて執筆し、校正・校閲・リライトを経て公開。 記事作成・リライト代行サービスについては『』※弊社公式HP

ChatGPTで書いた文章って、なんとなく分かるよね

ChatGPTは「次に来る単語を予測する技術」によって、人間のような自然な文章を生成しています。しかし、この仕組みには特徴があり、慣れた人には「AI(人工知能)が書いた文章」だと見抜かれてしまうのです。

筆者も話題になったころから使い続けていますが、Webライターさんの書いた記事がChatGPTを丸投げした文章だと判断した時点で契約を打ち切りました。残念ながら、費用対効果からみれば入れ替えざるを得ません。

言葉は選びません。自分で入力して書かせれば、同じ品質以上のものができあがる。つまり、素直にそれ自体にお金を払う価値がないからです

今回は、ChatGPTがどのように文章を書いているのかという仕組みと、なぜ生成文がほかの人にバレてしまうのかを、わかりやすく解説します。

【5ステップ】ChatGPTが文章を書く仕組み

ChatGPTが文章を生成する5段階の仕組みを示す図。パターン学習、単語予測、関連性認識、抽象化、確率に基づく出力。

ChatGPTが文章を書く仕組みは、「次に来る単語を予測する」という技術がベースになっています。理解しやすくする目的でざっくりとしている説明で、厳密には若干の違いがあります。

ただ、なぜ似たような文章になるのか、結果としてなぜバレるのかもイメージしやすくなるので、まずは以下でイメージを膨らませてください。

1. 大量のテキストからパターンを学習する

ChatGPTの情報源を4つに分類した図。1. 公開情報、2. 提携先データ、3. ユーザー生成データ、4. その他の情報。

ChatGPTは、インターネット上にある膨大な量のテキストデータ(文章情報)を読み込んで、「どのような言葉がどのように並ぶか」のパターンを学習します。この学習段階では、主に英語のテキストが使われ、英語ベースの言語パターンを身につけます。

学習に使うのは、インターネット上で自由に閲覧できる情報のみです。有料サイトやダークWeb(一般的にアクセスできないインターネットの領域)からは、データを収集していません。

出典:How ChatGPT and our foundation models are developed | OpenAI Help Center

2. 次の単語予測の訓練を行う

ChatGPTは「次に来そうな言葉」を予想する練習を繰り返します。平たくいえば、「朝ごはんを食べて、〇〇へ行った」という文章があった場合、〇〇に入るもっとも適切な言葉を予測する能力を磨いているのです。

訓練は何百万もの文章で繰り返され、より正確な予測ができるように改善します。最初はランダム(でたらめ)な予測しかできませんが、大量のデータを処理して人間らしく近づけていくわけです。

3. 単語間の関連性を認識する

ChatGPTは「次に来そうな言葉」を実際に予想する際、単語の意味を理解しているわけではありません。代わりに「どの言葉がどれとよく一緒に出てくるか」という関係性を学習します。

ChatGPTは言葉の意味よりも、統計的な関連性(どれくらいの頻度で一緒に使うか)にもとづいて文章を作っています。つまり、訓練で学んだ『書き方のなかでもっとも頻度が高い文法』を選ぶわけです。

慣れている人は、ここでもうバレる理由に気づいたかもしれませんが、一応確認しておきます。

4. 言語パターンを抽象化する

先に触れましたが、ChatGPTは文章を丸暗記しているわけではありません。学習したテキストのコピーを保存するのではなく、「言葉同士のつながり方」のルールやパターンだけを記憶しています。

これらのパターンは「パラメータ(調整可能な数値)」として保存され、文章生成時に参考にします。まるで先生が教科書を暗記せずに、理解した知識で説明するようなイメージです。

私たちが普段、ほかの人が書いた資料にもとづいて、だれかに説明するときも断片的に書かれている言葉を交えるのと同じです。どうしても書かれている言葉って、そのまま使ってしまいやすいですよね。

5. 確率をベースとした文章を生成する

最後に、ChatGPTは質問に対して「この次に来る言葉は…これだ!」と1語ずつ順番に選んで、自然な文章を組み立てます。

ここで書く文章は、各単語の選択が確率(どれくらい適切か)にもとづいています。同じ質問でも毎回少し違う答えとなりますが、主論は同じで確率がバラけているだけです

AIが「今日は天気がいいから」という入力に対し、確率で次の言葉を予測しながら文章を生成する4ステップの図解。

この『確率による言葉の選択』が、ChatGPTの文章に一貫性を生んでしまっている問題となります。

なぜ文章生成がほかの人にバレるのか

ChatGPTの文章生成の仕組みを理解したら、もうすでになぜAIによって書いた文章がほかの人にバレてしまうのか、が理解できているはずです。仕組みのとおり、『確率が高い言葉』を選ぶ結果として自然に似た文章になります。

「?」となった方もいるはずなので、もう少し以下で具体的な例を挙げておきます。

直訳調・不自然な日本語の言い回し

ChatGPTの内部構造や訓練データは、主に英語ベースで作られています。日本語を書くときも「英語の文法構造」を基準としており、翻訳の際には「なんとなく翻訳っぽい」違和感を生みます。

  • This is important because it helps us avoid mistakes.
    (これはミスを避けるのに役立つため、重要です。)

この一文だけ翻訳したら、「これは」「重要です」のAIっぽい言い回しが生まれます。「〇〇のミスを防ぐうえで、大事なポイントです」のような日本語っぽい口語のような書き方にはなりません。

もちろん、プロンプトで無理やり変える使い方も可能ですが、あくまでも自然に使ったら「翻訳ライクだな」くらいに考えてください。

英語を理解できる人なら、ChatGPTの日本語文章を英語に逆翻訳してください。びっくりするぐらい、英語の基本文法にぴったり当てはまる恐ろしさが分かります。2025年になって、少しはマシになってきた程度です。

情報の正確さより「もっともらしさ」を優先する

ChatGPTは「事実を検索する」のではなく、「ありそうな単語の並びを予測する」仕組みで動いています。正しいかではなく、それっぽいかで文章を作っているのです。

検索対象を読み込んだとしても、単語を選ぶ『確率』が変わっているだけとなります。結果として、具体的な数値や日付、人名などで「事実と異なる情報」を書いて墓穴を掘ります

この墓穴を掘った状態が、いわゆるハルシネーションです。

人間特有の「迷い・あいまいさ」がない

AIは統計的に”ベスト”な単語を一発で選ぶ仕組みであり、人間のような迷いや曖昧な表現は、故意に入れなければ現れません。法人が運営する、または政府が運営する「ネット上のコンテンツ」では使わない、口語体も選びにくくなります

  • 「えーと、たぶん…」
  • 「うまく説明できないけど…」
  • 「うーん、難しいな」

感情を表現するこうした露骨な言葉に加え、「墓穴を掘った」というような語彙もほぼ選ばれません。一見「上手に見える」文章でも、逆に「人間らしくない」違和感を生みます。

同じようなパターンに偏る

ChatGPTは「大量データの中でよく出てくる言い回し」を好む傾向があります。確率が高い組み合わせを使うという仕組みから見れば、「どこかで見たような言い回しばかり」になるのも明白です。

  • これら
  • すること
  • 重要です
  • されて
  • 〇〇可能性
  • 〜といえるでしょう

同じような表現が積み重なると、「あぁ、AIっぽいな」と気づけます。何度も使っているうちに、選ぶ確率の高い頻出ワードというのが見えてきて…。となるわけですね。

ChatGPTの文章を自然にするAI?

興味深い話として、AIの文章を「人間らしく」変換するAIといったツールもあります。Ahrefs(エイチレフス:SEO分析ツール会社)が代表例で、実際のツール:Free AI Text Humanizerがあるほどです。

一応、筆者の意見をお伝えしておきますが、AIを通した時点で本当の人間味は失われます。確率をどれだけプロンプトで変えても、ユニーク(独特)ではあるかもしれませんが、オリジナル(独創的)ではないからです。

人に想いを伝える文章であるならなおのこと。「AIの言葉が本当に最適解か」を考えてみてください。

まとめ

ChatGPTが文章を書く仕組みと、なぜAI文章がバレてしまうのかをまとめると以下のとおりです。

  • 次の単語を予測するだけだから自然に“無難な表現”に偏る
  • だれが使っても似たような表現になりやすく、バレる原因になる
  • 英語ベースの構造に引きずられ、直訳調のような違和感や「翻訳っぽさ」が出やすい
  • 「もっともらしい」けどズレて、具体的な情報になるほど間違いやすく信用に欠ける
  • 人間らしい“迷い”や“感情”がない結果、「自然だけど人間らしくない」文になる

ChatGPTは高性能ではありますが、「確率に基づく無難な表現」しかできません。だからこそ、文章の構造・言い回し・感情表現に人間らしさがなくなり、バレてしまうのです。

筆者は、ChatGPTを下書き・情報収集にのみ使い、人間で文章構成から執筆まで仕上げるという仕組みで記事を作ります。必要に応じて、依頼者からヒアリングをして生の声も反映しています。

「オリジナル」を残すこと。これが今後のSEOやGEOに必要かつ、差別化、ブランディングではないでしょうか。

※筆者へ執筆を依頼する場合はお問い合わせから、弊社サービスのご確認は以下のページからお願いします。

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よくある質問(FAQ)

ChatGPTはどのように学習しているのですか?

ChatGPTは、インターネット上で公開している大量のテキストデータから言語パターンを学習します。文章をそのまま記憶するのではなく、「どの言葉がどのように関連しているか」という統計的な関係性を「パラメータ(調整可能な数値)」として保存して文章を書きます。

ChatGPTで生成された文章の特徴は?

ChatGPT文章の主な特徴は以下の4つです

  • 直訳調・不自然な日本語の言い回し
  • 情報の正確さより「もっともらしさ」を優先する
  • 人間特有の「迷い・あいまいさ」がない
  • 同じようなパターンに偏る

チャットGPTに文章を書かせるコツは?

ChatGPTに文章を書かせるコツは、以下の3つを押さえてください

  • 自らの言葉を使わせる(具体的な指示や例文を提供)
  • データはそろえる(背景情報や文脈を十分に提供)
  • 最後の確認を『人間が行う』

人間による最終確認、サボっていませんか?

時間がかかるというのは当たり前です。相手に気持ちが伝わる文章を簡単に書ければ「だれもが売れっ子」です。

また、AIによるファクトチェック(事実確認)は確率論で判断し、確実性がなく信頼性も限定的です。必ず人間が内容を確認してください。

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